正道官衙に春が、紅梅、寒梅が見ごろに…石碑詩句(椎:つき)解説(5)

ふくよかな香りを漂わせている寒梅、紅梅の花弁も、心なしかこの寒さに震えているようです。春の気配を感じせてくれる正道官衙遺跡公園に昼下がり横殴りの小雪が舞っていました。さ・む・い~・・・                       ↓ 正道官衙の寒梅紅梅(3月4日撮影…クリックしてください。写真が拡大します。

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寒肥施しのボランティアを行って1ケ月あまり、木々は労苦に応えてくれたんだろうか?いつも思うのは『今年の梅は元気があって色合いもいいぞ!』比較する資料はないが口々に楚々とした梅花に簡単しきり

公園内の石碑 詩句解説

◎椎の木 しい

家にあれば 笥(け)に盛る飯(いひ)を 草枕 旅にしあれば 椎の葉に盛る

(家にあれば 器に盛る飯を (草枕)旅にあるので 椎の葉にもるのか)

笥(け)はすべての物を入れる容器を言う。有間皇子の作 椎の葉はブナ科の常緑高木、その葉は特殊なものを除いて、一般に小さいが盛り切り飯をこの上に覆せば食器の代用となる。

 

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◎つき(けやき)

早来ても 見てましものを 山背の 高の槻群 散りにけるかも

(もっと早く来て 見るべきだった 山城の多賀の槻の林は もう散ってしまっている)

槻は欅(けやき)の古名 秋紅葉が美しく原文で「秋赤葉」と記す。

 

※正道官衙遺跡公園には今回掲載した “しい” “つき” の他、下記の万葉の木々が植樹されている。 (木々の名)

ねむ やなぎ つげ つばき やまたちばな(やぶこうじ)しらかし つつじ やまざくら しい えのき こなら くぬぎ にれ はぎ うのはな(うつぎ)やまぶき からたち まゆみ かつら つき(けやき)ふじ あしび かわやなぎ(ねこやなぎ) なし なつめ もも たちばな まつ ゆづりは うめ である。

※太字は解説済みの詩句 写真はクリックしてください。拡大します。

(完)