「いのち輝く未来社会のデザイン」テーマで開催された2025年大阪・関西万博の
開幕日の開幕早々に企画された「1万人の第九 EXPO2025」に出演すべく、小雨
降る4月13日(日)早朝4時20分にマイカーで家を出た。夜来の雨は激しく降って
いた。
京阪御殿山から堺筋線.中央線乗換えての夢洲会場行のアクセスを私は選んだ。
私の歌う場所は大屋根リンク上でなくウオータープラザT-1ゾーンでオーケスト
ラ、ソリスト指揮者に近くて大屋根リングを見渡せる絶好の場所だ!
若い人は食事処をはじめ様々なイベントにおいて、“並び、順番を待つ”ことに、
さして抵抗がないようで、USJ.ディズニーランド.等々テーマパークでの楽
しみ方に習熟しているようだが、私はダメだ!目的を成就するためには苦も厭
わずてなことは、もう今、この歳では当然だろうが 根気が無くなった。2025年
の大阪・関西万博ももともとこのタイミングの開催には私はよく思っていない、
能登半島の大震災、水害被害の回復が遅々として進まず、苦悩の災禍に慄いて
おられる。
万博工事に注ぐ力を能登復興にと願うのは私だけではなかろう。「二兎を追う
者は一兎をも得ず」の通り能登半島の復興がいまだ目途が立っていない。復興
の目途が立ち被災地の人たちに笑顔が蘇えってきた時まで開催を少し延期し、
能登半島の復興に全力で注いで欲しかった。
大催事場や大屋根のリングなど、万博会場内の建物の建設に充てる「会場整備
費」は2350億円、インフラ整備費9兆7千億、万博アクションプラン2兆8千
億(東京新聞掲載より)の巨額が投じられている。すべて税金?勿論、大規模
工事に観客などモノが動き、金が動くからして、万博の波及効果は全国では3兆
円、大阪府だけで1兆6千万円とも言われている。
また、東京オリンピックの時に「レガシー」が議論されたが、「次の時代に受け
継がれていくもの」こそ求められるところで、大阪府下の小中高生を無料で招待、
智の伝承を期待しているのであろう。
様々な思いもあるが「1万人の第九 EXPO2025」に参加申し込みをしたのは、
あの大屋根リンク上でベートーヴェン第九を歌いたい、ホールじゃなくて壮大な
屋外で1万人の4声が一つになるんだろうか?との好奇心、さらに、30数年、
毎年末には第九を歌い、その歓びと共に多くの友の心をいただいてきた「私の
第九人生の集大成」にしようとの思いが通じたのか抽選で出場できた。
しかし、大阪・関西万博で第九を歌うことの困難さは身に沁みた!例えば、
入場券ゲットまでID.パスワードと紐づけ等の手続きが難解であり、さらに、
高齢者には会場到着までの厳しいアクセス、会場に入れば案内ボードがある
ものの読み解くに理解力不足!加えて、人込み、雑踏、騒音が精神を狂わ
せる。並ばずともと言われるパビリオン等々の大混雑…、やはり、やわな
精神では無理だ!
それでは「1万人の第九 EXPO2025」の参加は?と問われれば、大満足だ!
屋外の壮大な会場で佐渡裕の指揮にソリスト、抽選で全国から参集した
ソプラノ.アルト.バス.テノールの1万人が大屋根リング上とウオーター
プラザに分かれて歌ったのだが、音声がずれることなく、声高らかに
ベートーヴェン第九交響曲歓喜の声が一つになり全世界に発信したのだ!
その中に私がいた!
早朝から降りしきっていた雨も不思議なことに、歌う時のみ陽が照り、
雨が上がるという幸運に! 忘れられないベートーヴェン第九交響曲
を歌った一瞬だ。
5月6日4CH 11時30分から放映される・・・、感動を再び! (進)