歌は心のストレッチ(11)《日野原重明さん》

あけましておめでとうございます。今年も元気よくストレッチ体操に励みましょう。

さて、昨年末友人から「歌は心のストレッチ」というタイトルにふさわしい新聞の切り抜き記事をいただきました。もう10年も前の、2004年12月4日付朝日新聞の記事で、タイトルは「音楽とともに人生百歳」、投稿者は聖路加国際病院の日野原重明先生(当時93歳)でした。先生が顧問を務めている「新老人の会」が「バンダナ」という合唱団を結成して〈人生百歳ジョイントコーラスフェステバルinよこはま〉に参加した話から始まって、この場で伝えたメッセージの内容を記載したものでした。そのメッセージの概要は、

防空壕で夜を明かした太平洋戦争の戦時下で歌いながら苦境を乗り越えたことを思い出します。歌は私たちの心をいやす手立ての一つでした。現在は病院や施設で音楽療法士による治療が行われています。パーキンソン病など歩行障害を伴う病気の方に音楽を聞かせると、体の動きが一時的にしなやかになることがわかってきました。またリハビリの効果が上がる患者さんもいるようです。

1時間前のことも忘れてしまうような強い記憶障害をもつ老人に、昔の唱歌や美空ひばりのCDをかけると、メロデイーにあわせて正しく歌詞を歌って周囲を驚かせることがあります。音楽の調べに乗せて言葉を思い出す記憶のメカニズムは、遠からず脳科学者が解明することでしょう。音楽がもつ不思議な力は、私たちの心や体にさまざまな影響を及ぼしているのは確かなようです。以上