かれいな秋
美術展によく足を運ぶ。直近では昨秋開催の竹内栖鳳展(京都)と藤城清治展(大阪)だ。日本の伝統絵画に西洋美術を融合、革新的な画風を確立した近代日本画の巨星・栖鳳、そして「光と影」の綿密な交錯によって生み出すファンタジーな世界を醸し出した藤城氏。素晴らしい作品に触れ感動した。 そんな中で2人の作品を比較するのは無謀だが,あえて私なりに見つけた単純な共通点、それは高年齢期に入ってからの作品の数々に見られる燃えるエネルギー70歳を超えてからのほとばしる情熱、卓越した技法と成熟した極致の表現は、どこから湧き出るのだろうかと、ただ感服するばかりであった。
私も同じく高年齢。今回の展覧会で2人の美を極めるという内面的な心的エネルギーを私のどこかに、ちょっぴり分けて頂いた気がしてならない。 「加齢を華麗に」と続けている朝のストレッチ、体操は身体面の増強だ!。 前記の心的面を合わせ持てれば、まだこれからでも少しは進化する余力が残されているのだろうかと思いつつ…。 杉 宣正記