迫りくる寂しさを噛みしめて、S:Fさん主婦89歳…
『今年は弟、昨年は夫と末弟、一昨年は兄と、3年続けての悲しみ。神様をうらみました。黄泉(よみ)の国で4人仲良く、幸せにね』と、一人残された寂しさと孤独感を語っていらっしゃる老女。
99歳で逝った我が父も、晩年よく話していた『兄姉も、幼友達も、近所の同輩もみんな死んでしまった』『俺だけが…』と、呟き、寂しさを語っていたが…この父は少し違っていたと、今、私は思う。
少しばかりの土地で家庭菜園を楽しみ、謡曲を親しみ、弘法さん、天神さんの縁日には、97歳を数えると歳になっても、毎月、いそいそと楽しそうに出かけて、帰りには『うな丼を食べてきたぞ!』とか、自分の楽しみを膨らませ、残る体力と知力を使い、老いを懸命に生き切っていたと思う。
≪老い…読みたい本≫
今日の朝刊で、作家森村誠一著『老いる意味』がAmazonランキング第1位と報じていた。定価924円森村誠一いわく・・・
=八十八歳。人間老いれば病気もするし、苦悩する=
「気力、体力の衰え、うつや認知症の闘い。高齢者としての心構えが問われる時代、人生経験を凝縮して明日に立ち向かう!とある。その横の欄に…樋口恵子著『老いの福袋』が10万部突破とある。読者は「自分の老化を受忍できた!」と読後感を語っている。定価1540円
PR序文には、人生百年時代の痛快エッセイ、どこから読んでも「ころんでも、たちあがろう」ヨタヘロ期を明るく生きるヒント満載とある。果たして…
私はいずれの本も読んでみようと思う。
≪老いは誰にも等しく迫りくる≫
瀬戸内寂聴さんは100歳を寿がれた今、老いと死を強く意識されていることがエッセイで感じられる。今日も『エレキの神様』こと寺内タケシさん82歳で、ご逝去…
はてさて、齢を重ねるに一番気がかることはなんだろう?自問自答してみると、一杯あるようで…、実はとり越し苦労や余計なことと割り切らなければいけないことが一杯で、可能なら出来ることと、出来ないことをすみ分けして、ケセラセラと出来ればこれ最高!そうはいかないのが現実なんですね。
❛全ての事々は原因があっての今日❜であり❛長い年月の経過があって現状である❜からして、人それぞれの今日があり、現実であろう。
私とて、寂聴さんのお歳、100歳まで生きるとしてもあと19年。 とても自信がない。 ならば・・・
私はいつも 『楽しく、活き活きと、華麗に、そして、悩まず、欲しがらず、笑顔で一日一日を生き切る』と、難しいが…、願い、話し、実行しようと試みてきた。
迫りくるどんな苦も甘んじて受けとめよう!(受容)それが現実なんだから、病はホームドクターに身を任せよう。と…、死は誰にもいつかは迫りくる。じたばたしても仕方ないと達観しよう! と・・・、
死と死に仕舞いは考えてはいるが…、残りし者に全て任せよう、自分でできること、終活はぼちぼちしておこう。そして後は任せた、の気持ちを是認してもらおう。今のところはこの通りでこころしている。この先は不明。
≪残るは寂しさ孤独感≫
今、注目されている家庭用ロボット、愛らしい姿で、ユニークな会話や感情表現もするらしい!
IT大手が発売した手のひらサイズのロボット「ROMI」は決まった文章を話すだけでなく、自由な言葉で会話ができるそうだ。老若関係なく心をいやす相手に選ばれているそうだ。
子育て、子、孫離れし、年中休日となり、子ども孫の自立、配偶者喪失という年齢が、凡そ75歳以降となれば、ロボットもよし、動植物への癒しを求めるもよし、 一人の老いし人間として、どう生き切るかの決意と共に、寂しさ孤独感に耐える何か…、強い意志も必要なんだろう。 亡き父の晩年の生きざまを思い起こしている。 それでも… 考えさせられますね。