歌は心のストレッチ(22)《ブルースとロック》

ブルースは日本の歌謡曲にも多くみられます。例えば、夜霧のブルース(ディック・ミネ)別れのブルース(淡谷のり子)赤と黒のブルース(鶴田浩二)などです。ブルースはもともとは「黒人の嘆きの歌」といわれ、哀れな境遇を嘆く弾き語りうたでした。やがて、ブルースというジャンルが確立したのは、ルイ・アームストロングが歌った「セントルイスブルース」によるといわれています。

一方、エルビス・プレスリーによって一躍世界に広まったロックン・ロールは、鉱山や鉄工所や土木工事現場などで厳しい肉体労働を強いられた黒人たちが生み出した「ハンマーソング」が源流になっています。

江利チエミのヒット曲「テネシーワルツ」で日本人にも一躍有名になった米国テネシー州のミシシッピ河畔にメンフィスという町があります。ここに、ブルースとロックの接点があります。即ち、この町はブルース発祥の地で、ブルース通りという通りがある一方、エルビス・プレスリーが生れ住んだ町でもあります。プ

レスリーの住居跡は「グレースランド」という記念館になって居て、小泉首相が訪問したことで日本人にも知られるようになりました。実は私は小泉さんより早くこの地を訪れたことがあり、黒人が生んだ歌が白人の心の琴線に響いたさまになんとも言えない感激を味わいました。写真はプレスリーの愛車まえ(於、グレースランド)

グレースランド