京都駅ビル内にある「京都劇場」今まで全く縁がなかった。劇団四季の常設小屋として『キャット』や『ライオンキング』のロングランの劇場であった時代から「屋根裏の怪人」などの話題作の興行をうつ劇場になっていたが…私は伊勢丹、グランビア京都はよく利用しているが「京都劇場」はご縁がなかった。
今回、前進座の初春特別公演「裏長屋騒動記」【山田洋次監修・脚本、小野文隆演出、落語「らくだ」「井戸の茶碗」より】を京都劇場で初めて観劇することができた。
初めてのことで…入口から客席、舞台の写真を撮りました。上演中は当然ながら撮影禁止だった。ちょっと作りが一般?従前の劇場とは異なり、うまくビル空間を利用して京らしい風情すら感じさせてくれるうれしい劇場である。
ビル1Fにはがんこ.徳兵衛など4店舗観劇終了後の余韻を楽しませてくれる食事処がある。
落ち着いた雰囲気を醸し出している観客席、舞台で、1Fと2Fあわせて941席の客席が見やすい勾配で席が並べられていて、前の席との間隔も比較的広くてイスも柔らかくて観劇に適していた。
南座のように花道はないが…前進座の今回の興行では客席通路を花道として幅広く劇団四季の時のように舞台&客席を使っているな~とその演出ぶりが特筆であった。
さて、お目当ての前進座初春興業「裏長屋騒動記」ですが、山田洋次監修・脚本ということで、人気を呼び昨年は大阪松竹座で興行された。今回、再び京の地で興行されたのである。
前進座の興行は以前南座が興行の場所であったが、南座の耐震工事完了後も南座ではなく京都劇場で開演された。 舞台キャバは南座とはあまり変わらないが、南座の花道は京都劇場にはなく、同じような使われ方を演出として客席通路を巧みに使われているのは、極めて巧みな演出で客との距離も近く表情、トーンもよく見られて非常に良かった。前進座の興行場所はネームバリューを除き南座興業より、京都劇場の方がよいように思った。
裏長屋騒動記は落語や井戸場の茶碗でなじみがあり、解りやすいストーリーの展開を演出されており、流石 山田洋次さんの監修・脚本だと感じた。
筋書きはいつもながらの武士のプライドと屑屋の良心、朴歳の娘お文:今井鞠子の可憐さ、優しさ、いじらしさはが一層きわだち引き込まれていった。
悲しみや苛立ちや笑いが自然と零れ落ちるような劇場の雰囲気が作り上げられており、前進座の出し物として秀逸の演目であった。
NHKのチコちゃんの言葉「ぼ~っといきてるんじゃないよ!」の言葉がセリフにも出ており、働き方改革に対する風刺もさらりと飛び出すのも笑いを誘い風刺もきいていた。
楽しく3時間余りの観劇を楽しませていただいた。
帰路、込み合っていた劇場1Fを避けて、久しぶりに京都駅近くの北京飯店で妻の好みに合わせた食事を楽しめたことも「今日行く(教育)今日よう(教養)」のひと時であった。 この次の予定は1月27日の宇治フィルハーモニィの定期演奏会である。 今年も幅広く行動的な時間を楽しみたいと思っています。またこページで紹介させていただきます。