孫の問いかけに 『う~ん・・・、そうか…』と思案
高1の孫の素直な問いかけに、どのように答えようかな~と、戸惑う私…。 私の母が逝ったとき、この孫は3歳、 恐らく記憶にないだろう。『おじいちゃん、❛法事❜って何?』の孫からの言葉は、過日、私の両親の13回忌を前にしての孫との会話である。
◎家族構成、価値観、死生観の劇的な変化
近年、家族構成、価値観、死生観が大きく変貌し、私たち周辺にも世代間の軋轢で様々な問題が生じています。
また、終活の必要性と時代に即応した終活についても 新聞・テレビ・ 雑誌などで事細かく報じています。
お墓一つにしてもどうだろう?「死んだら海に散骨して~」とか「先祖さんのお墓には入らへん!」 「夫とは同じお墓には入らない」と、ひと昔前なら夫婦の会話にもならないような、自己実現の主張が語られる時代となってきた。
◎語らいこそ良き日
話を戻そう…、『法事ってなに?』と、素直に聞いてくれた孫にどのように話そうかと考えた。
母が亡くなった時、お経を唱える住職の周りを 無邪気に走り回っていたその子が高校生に…、 そして、『法事ってなに?』と聞いてくれたことがうれしい。
せめて7人の孫のうち、中学生と高校生には しっかりと分かりやすく話し、少しでも理解してもらって❛13回忌❜に参列してもらおうと、知恵を絞った内容の手紙(封書)をそれぞれ個人宛てに郵送したのである。
勿論、幼き頃のスナップ写真も編集して同封した。 果たしてどのように理解してくれたかな?
今、高齢期を過ごす者にとって、お迎えが来る我が死、そこには避けて取れない『宗教』『葬式』『お墓』、派生して『先祖』『家族』『親戚』との関係を全く無視しては ❛すべてのこと❜が立ちいかないであろう。
自分流に納得して解決してからでないと、その❛こと❜は前に進まないだろう。しかし、元気な時は、その、❛こと❜をあまり考えたくないと言うのが今を生きる者の本音?
ジャ ガイモ掘り.当時96歳の父89歳の母(車椅子) 孫たちと寛ぐ今は亡き父
◎受け継がれてきた❛細やかな事々❜が途絶え変貌へ
ひと昔前では三世代、四世代同居という家族構成の 家庭も珍しくなかった、しかし、今はどうだろう?
加齢とともに核家族から高齢者世帯、一人暮らし世帯へと・・・、一方、結婚と同時に両親と独立して生計を営む 単一世帯志向となる。そのうえ、近隣の関係が希薄となりつつある。
親から子へ、子から孫へ、或いは向こう三軒両隣の世話焼きばあさん、じいさんの存在もなく、受け継がれる❛細やかな事々❜は、ややもすれば 途切れがちになっているのではなかろうか?
幼い頃、父母に手を引かれ手桶と杓、お花を手にもってのお墓参りも思い出されるが、今はどうだろう?
当日、精進落としの席で息子や嫁、孫たちが亡きおおじいさん、おおばあさんを懐かしんでくれた。そして、自分たちの日々の事々を楽しく話してくれた。
住職のお経も静かに聞いてくれていた。 意義ある一日であったと思うが…
はたして、孫たちには『退屈な一日』 だったろうか? 【完】