三度 瑞浪市 美濃歌舞伎鑑賞に相生座にやってきた。 2015年、2016年、そして今年も友の誘いに喜んでやってきたのである。 2015年、16年は妻と…今年は一人旅である。 美濃歌舞伎、相生座については後述しよう。
美濃歌舞伎鑑賞に…15年は相生座近くのひなびた旅館で、16年は下呂温泉でゆったりとした湯治気分を妻と過ごした。翌日に歴史ある小芝居小屋相生座の美濃歌舞伎を楽しんだのである。 今年は友が中央道瑞浪IC近くのビジネスホテルを 予約してくれたので、観劇の後、この友と久しぶりに一献傾けて旧交を温めることができた。
それではこの友との縁…美濃歌舞伎 相生座について触れておこう。話は3年前にさかのぼる…
〇2014年6月3日から8日間、私は❛スイス・日本国交樹立150周年記念❜『第九』ヴィクトリアホールコンサートツアーに参加した。合唱団員は関西、中部、関東から集まった人たちと現地、スイス・フランスの人達で構成された。
8日間のスイス・フランス滞在中同部屋となった瑞浪市釜戸町に住むY:Oさんとのご縁が今日まで続いている。それまでは全く知らなかったY:Oさん、縁とは有り難いものだ!
←相生座の舞台 舞台上にはおひねりが一杯 ←地歌舞伎は地元の男女生徒児童も含む
※「美濃歌舞伎博物館/相生座」は、明治28年に旧恵那郡明智町に建てられた江戸期様式の芝居小屋「相生座」と、旧益田郡下呂町にあった江戸期末期の芝居小屋「常盤座」を解体し、昭和51年に瑞浪市の日吉地区に移築再建されました。花道・すっぽん・廻り舞台など本格的な舞台機構を完備。
また、岐阜県内に江戸期から伝承される地歌舞伎の貴重な衣裳・資料などを多数所蔵し、通常は博物館として展示公開しています。
←相生座の前には昔懐かし、のぼりが迎えてくれる。
〇今年も美濃歌舞伎鑑賞! 自宅を朝8時に出発して所要時間3時間 走行距離200㎞! 来てよかった!思いを述べてみよう・・・
相生座の前、通路には沢山ののぼりが立てられ❛地歌舞伎❜ならではその雰囲気が感じられた。…3年連続の観劇に寄せて頂くことができたと言う慶びを感じることができた。 下足場を通り過ぎ1階の席について、すぐに最初の演目❛恋飛脚大和往来❜の幕があがった。
明るい照明に照らし出された、梅川&忠兵衛…息をのむほどの端麗な顔、容姿、舞台の小道具の出来栄え、孫右衛門の登場と舞台が進むにつれて『よく練習を積んでこられた』『素晴らしい!』との第一印象・・・
三味線の音色、浄瑠璃の語り口にのせられて役者の熱演が続く…いいものを見せて頂いたとの思いと余韻を残し幕は降ろされました。私は義太夫語りが好きだ!
さあ~ いよいよ Y:Oさんの出番だとの思いでいると…多くの地元の児童、生徒が先生に引率されて来場してきた。
開幕最初から席に座っておられた高齢者の席に、次々と席を得、場内は一挙に老若男女の華やいだ場と化したのである。これぞ高齢化が進む地域の老若男女の良き交わりだ!
美濃歌舞伎鑑賞は3年、寄せてもらっているが、前2年は長月公演の鑑賞で、今年初めて敬老公演という雰囲気を感じさせて頂きました。毎年、二日公演だ
この客席の雰囲気『いいね~』 長く村でというか、この地で頑張り、歳を重ねてこられた同輩と子供たちが席を共にし、顔見知りの人が演じる芝居を楽しんでおられるこの光景は、もはや都会?我々の地域ではもう見ることは到底望0めないだろう。 その地歌舞伎が公的援助も受けずに、この地で毎年毎年行われている。
地元のおじさん、おばさん、生徒さんが役どころを得て活き活きと演じ切っておられる…、観客席の老若男女が やんやの声援を送る、感激する… その姿こそ美濃歌舞伎が今日まで歴史を重ねてこられた大きな要素なんだ❛いいものを見せて頂いている❜と、私自身も感動した。
さて、いよいよY:Oさん演じる寿曽我対面、工藤左右衛門祐経の登場だ!幕開けと共に威風堂々の『工藤左右衛門祐経:Y:Oさん』が舞台上に、居並ぶ大名の大人に伍して、生徒さんが初々しく立ち並ぶ…声色もよく、容姿も初々しい(歌舞伎の女形と違う雰囲気が素敵!)観客席からのおにぎりが投げ入れ、声援、掛け声、相まって盛り上がりも最高潮!
私の席の前に座る老女も感極まって体を前後に揺さぶり声を絞っておられるのを見るにつけ… 都会の敬老会とは一味も二味も違う、真の高齢者の気持ちをゆさぶる素晴らしい『来年も来ようと』とお年寄りのつぶやく声『生きる力を与える敬老の会』であると思った。この相生座 美濃歌舞伎は聞くところによると、近くにある❛日吉ハイランドゴルフ娯楽部❜の歴代オーナーが資金、人的援助全てにバックアップされ、尚且つ 配役まで養成されているそうだ…今回も女将小栗久美子さんが迫真の演技を披露された。
観劇後、明日の二日目公演を控えるY:Oさん、ホテルに奥様との運転で、私を迎えに来てくれた。 そして、とある割烹でスイスでのこと、地歌舞伎のこと、近況と話は尽きなかった。 良き縁・・・ 第九の縁 これまた老いを重ねる私にとって至福の時間を与えてくれている・・・ 唯々 感謝だ!! (完)yamashin