‘熟老の備え…’『これから先のことは誰しも確実に予想することが出来ない…が、老・病・苦・死の時期が確かに来る。』会報から転載

『あなたは‘介護’を受ける状態になってもいいですか?』

          

この問いかけに高齢者ならだれでも即座に「いや!」という。女性では死んだ方が良いともいう。しかし、現実には、そう簡単には死ねないことが寿命の長さでも判る。

「これまで頑張ってきたのだから楽をしたい」と誰もが思う。おいしいものを食べて楽をしていると介護を受けることになるでしょう。(突き放したもの言いでごめんなさい)

厳しいようでも介護を受けたくないというなら・・・ 運動するしかない。

面倒なことはしたくないというなら・・・ 介護を受けるしかない。

二つに一つを選ぶしかない。どちらかを選ぶかは自分で決めるしかないが、面倒を見る家族とも相談する必要がある。

日本は急速な高齢化で、国も社会も国民も高齢化社会に慣れているとはいえず、制度も試行錯誤が続いている。 家族も親が70歳になったら、介護保険や福祉制度の勉強をする必要がある。その時になって急にあわてる息子や娘を毎日のように見ていると、私自身も自分の健康を保っていくことの大切さを今更のように感じ、出来るだけ運動することを心がけている。

  • まず、継続した運動習慣を身につける。健康長寿を目指す。
  •  高齢世帯、一人暮らし高齢世帯、昼間高齢者世帯者は緊急時の身の処し方を日頃から考えておくこと。
  • 行く末の我が身の処し方(在宅介護、施設入居、子息と同居)を元気なうちに話し合っておく。決めておく。

『薬や湿布など頼りすぎていないですか?』

歳をとると健康不安になり、すぐに病院へ行ったり、サプリメントを飲んだりする。グルコサミンやコラーゲンが役立つなら、薬として病院で投薬されるはずである。サプリマントでは効果が期待できないことは明白である。

日本の医療制度では『痛い』と言えば消炎鎮痛剤や湿布が出され、『めまい』と言えば薬が処方され、『冷える』と言えば薬がでるのが現状である。

血圧や糖尿病、高脂血症等々でも、基本となる食事療法や運動療法の指導は皆無に近く、時間のかかることや患者が嫌がることは言わない方が多くの患者を診ることができ、儲かることに通じる。薬を7種類以上飲んでいる高齢者では転倒リスクが高く、10種類以上ではさらに高いことが転倒予防学会で報告されている。

病院へ行くとすぐに薬が処方され、どんどん増えていく。薬手帳や検査結果のチェックをする整形外科医は少ない

整形を受診する高齢者はロコモの人が多く、介護予防などのリハビリテーションの適応が高い。電気やマッサージなどいわゆる温熱療法も効果がない。

歳をとってきたら、薬や湿布に頼ることなく、自分の体や生活の中でよいところを探し、前向きに生きることである。

(一財)健康文化振興財団 発行‘健康文化’から抜粋

008 正道官衙ストレッチ

019季節のうつろいを感じて…

『生活不活発病』 生活が活動的でなくなることで起る病気 ・・・

症状としては‘疲れやすい’‘頭もスッキリしない’‘うつ病に似た症状’などがみられる。病気やけがの他にもこんな原因がある。定年後の自由な時間を持て余し一日中外出しない生活が続くと足腰が弱ってしまうケースや、息子夫婦との同居で姑さんが家事などしなくてよくなって衰えが進む例もある。

生活不活発病の予防には‘スポーツ’‘散歩’‘体操’など積極的に体を動かす事もよいが、生活の中で掃除や洗濯、料理、趣味などで体や頭を使う習慣を持ち続けるのが良く、それが予防になる。

=体を動かさないような時間が長くなればなるほど、体や頭の機能が低下して悪循環になる=

その結果… ‘歩くのが遅くなる’‘立ち上がるのに『よっこらしょ』’‘家事がてきぱきこなせなくなる’で動けないから動かない・・・悪循環になって“雪だるま式”になっていきます。生活不活発病の原因は“動かなくなったこと”です。 生活の中で自分の楽しみや役割を持つことが動く動機付になり、そのことが最も大切なのです。

= 歩くと人生が充実する =   = 運動習慣をいつまでも… =

出かけるためには歩かなければなりません。歩いて出かけるという行動には様々な良い効果があります。

‘足腰の筋力や歩く機能の維持’‘手や体全体の筋肉を使う’‘心肺機能などの機能維持’‘障害物を避けたりするために認知機能維持’‘四季の移り変わりを肌で感じるなど情緒の安定化’‘友人との会話が生まれる’など、体や頭に計りきれない刺激を与え、生活自体も充実して生活不活発病の予防や改善に役立ちます。

= 体を動かさないと…体を動かさないでいると楽 =            体を動かさないと楽になのですが‘筋肉が衰える’‘関節が固まってくる’‘少しの運動で動悸息切れがする’など悪いことがどんどん増えてきます。

(一財)NHKラジオあさいちばん 「生活不活発病」放送内容要約

(完)