正道官衙遺跡公園万葉詩歌解説(13回) おし照るや 難波…

にれ (石碑字句)ニレ科 乞食者の詠(巻十六ー三八八六)

おし照るや 難波の小江(をえ)に廬(いほ)作り… この片山の もむ楡を…

(下記文の太字赤字のところが石碑に刻まれている)

おし照るや 難波の小江に 廬(いほ)作り 隠(なま)りて居る 葦蟹を 大君召すと 何せむに 我を召すらめや 明けく 我が知ることを 歌人と我を召すらめや 笛吹きと 我を召すらめや 琴弾と 我を召すらめや かもかくも命受けむと 今日今日と 明日香に至り 立つとも 置勿に至り つかねども 都久怒(つくの)に至り 東の 中の御門ゆ 参り来て 命受くれば 馬にこそふもだしかくもの 牛にこそ 鼻縄著(はななはは)くれ あしひきの この片山の もむ楡を 五百枝(いほえ)剥(は)ぎ垂れ 天照るや 日の異に干しさひづるや 韓臼(からうす)に搗き(つ)き 庭に立つ 手臼に搗き(つ)おしてるや 難波の小江の初垂(はつたり) 辛く垂れ来て陶人の 作れる瓶を 今日行きて 明日取り持ち来 我が目らに 塩塗りたまひ 腊(きたひ)はやすも 腊(きたひ)はやすも      解説は下記に…

(上の歌一首、蟹のために痛みを述べて作る)↓ 正道官衙の樹木

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004 ← 正道官衙遺跡公園 万葉歌石碑

(詩句解説)

おしてるや → 難波江にすまいして 隠れている この葦蟹を 大君がお呼びだとな なんで わたしは呼ばれるのだろうか 能なしだとはっきり わたしは知っているのに 歌い手とて わたしを呼ばれるのだろうか 笛吹きとてわたしを呼ばれるのだろうか 琴弾きとて わたしを呼ばれるのだろうか ともかくも仰せを聞こうと(今日は今日と)明日香に着き(立つとも)置くなにつき(つかねども)着久怒(つくの)に着き 内裏の東の 中の御門から 参上して 仰せを聞けば 馬こそ 腹は吊るすもの 牛にこそ鼻縄をはめるものなのに (あしひきの)この片山のもむ楡を五百枝も剥いで吊るし(天照るや)日ごとに干して(さひづるや)韓臼(からうす)で搗き 庭に据えた 手臼で搗いて粉にし(おしてるや)難波江の初垂れを塩辛くしぼって来て混ぜ 陶作りの 作った瓶を 今日買いに行き 明日は取って来て入れ わたしの目に その塩を塗ってくださり 塩漬けを賞味なさることよ 塩漬けを賞味なさることよ

(上記歌一首は 蟹のために悲嘆を述べて作った元歌の解説である)

正道官衙遺跡公園の紅梅寒梅は寒風に小枝震わせています。落葉樹はすっかり  葉っぱを落とし寒々として風情をかもしだしています。驚きは…、目を凝らして紅梅寒梅の小枝を見ると、早々と小さな蕾を膨らませています。春の息吹きを感じさててくれます。寒さの中にも“早春”の気配が心を和ませてくれます。

もすすぐ桜花爛漫の春が! 寒風の中集う仲間! 無理せず正道官衙ストレッチを楽しもう! 寒肥施しボランティア効果が木々の開花に…    (完)