終末医療、在宅医療について…辛い話ですが、我がこととして考えを深めていただければ…  

初めに…

医師から「救命治療の緊急手術が必要ですが?」とか「これ以上治療しても回復の見込みがありません」と伝えられた時、あなたはどうしますか?

あなたが、家族が…、急病、事故で病院に運ばれたとき、あるいは長い間治療していた闘病生活の末に突き付けられる問いかけ、『回復見込みなし、転院、退院』の選択という事態は決して稀有なことではありません。

他人事ではない『健康長寿のちょっと先の選択なのです』 その選択は終末期では、患者自身に意識がない、あるいは意識があっても判断力がなくなっている状態が多く、その場合は家族にその判断を任せられるのが通常です。

避けて通れない事々について、この記事を契機に連れ合い、親族との会話の端緒になればと願っています。

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◎厚生労働省は、介護を受けたり寝たきりになったりせず日常生活を送れる期間を示す「健康寿命」が、2016年は男性72.14歳、女性74.79歳だったと公表した。

16年の平均寿命と健康寿命の差は男性8.84年、女性12.35年。まさに、健康寿命のちょっと先が男性は8.84年で、女性では12.35年と言われている。

私達は正道官衙ストレッチに励む参加者の平均年齢は先般のアンケート調査で75.6歳、前述の健康寿命年齢に入っていることになろう。それでも、自らの継続した努力で健康寿命を延ばす努力をしていることになる。それでは平均寿命と健康寿命の差「日常生活に制限のある」 期間が生じる原因は…、脳血管障害(脳卒中).認知症、加齢による虚弱.転倒による骨折、運動器の障害(腰の痛み、変形性関節症など加齢により突然襲い来る難儀である。

【終末期とは】…患者が助かる見込みのない状況になったとき。

終末治療(ターミナルケアーとは)…重い病気の末期で不治と判断されたとき、治療よりも患者の心身の苦痛を和らげ、穏やかに日々を過ごせるように配慮する療養法。

延命治療】…快復の見込みがなく死期の迫った患者に、心臓マッサージ・人工呼吸器や心肺蘇生装置を着けたり、胃婁処置も含めて点滴栄養補給をしたりなどで生命を維持するだけの治療。まさに、パイプにつながれての際限のない寝たきりへの誘いの治療と言えよう。

この三つの言葉の持つ意味が重いだけに、私たちはともすれば意識の外に追いやろうとしたり、『自分だけはそうはなるまい』と楽観視して、家族の間でも触れたくない、話し合いたくないこととしてはいないだろうか?

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◎人生100歳時代の幕引きは、人任せでいいんだろうか?

人生50歳の時代から今や100歳と生きながらえる現実の中で、それでも…人の死は必ず誰にでも訪れます。しかし、連れ合いと、あるいは家族子息と死の迎え方について真剣に話し合うことができていないのが現実です。

明らかに死が免れないと予測される状況において家族子息、連れ合いは慌てふためくのである。勿論、死を目前にしている本人(患者)の意識はない、あるいは意識があっても判断力ても判断力がない状態がほとんどです。多くの場合は家族子息に判断がゆだねられてしまいます。

◎悩ましい終末期の医療ですが…、

病気の状況に合わせて事前にどのような治療を受けるのか、あるいは治療の継続を中止するのかなどの意思表明をする…しておくことの必要性は現実その場で対応できる程に理解されていないし、普及していません。

医学の進歩にかかわらず病気の治療には限界があります。最も重要なことは患者自身の終末期の治療について明確な意思表示が文書でなされているか?で…

しからば、救命救急を要する病気や脳の病気で患者自身が判断できないことを想定した代弁者(身近な親族、掛かりつけ医師)があるかどうかが長寿時代に問われています。終末期を迎えたとき…死期が迫りくる時、全てにあてはまる❛やってほしくない延命医療と延命処置❜の項目を、掛かりつけ医のアドバイスを得て、文書にして近親者、代弁者を交えて話し合い残しておくことができないだろうか? 完全な内容でなくてもだ…

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◎終末治療法、場所も様々、病院?自宅?緩和病棟?

脳卒中など循環器系等の発作で意識を失った状態の時、その他、認知症も含む疾病で快復見込みがなくなった時の患者の居場所を選べるだろうか?殆どの高齢者は自宅で終末期を過ごし、親族に見守られて人生を終えたいと願うが…はたしてどうだろうか?介護の大変さ、在宅医療の現状、終末医療医の存在などを考え合わせると『自宅で…』との願いはそう容易いものではない。取り分け、認知症も含む疾病で、重篤な状態、症状が長期にわたる例も稀有ではない。誰もがそのような状態を望まないがさりとてそのような状態にならないという保証はない。さて、あなたはどのようにお考えでしょうか?

宇治大久保の❛まつだ在宅クリニック❜松田かがみ女医は数少ない終末医療、在宅医療、緩和治療に特化した地域医療に奮闘されています。機会を捉まえてこの難儀な終末医療、在宅医療についてお話を伺う機会を得たいと考えています。

乞うご期待を!(記yamashin)