私の頭には二つの渦がある。 幼き頃のことが思い出される今日この頃、秋なんですね~
髪型は今ではとても想像されはしないが、年齢と共にある時はリーゼントに、 ある時はオールバックに、ある時は 七三にきっちりと分けていたこともあった。
ドライヤーを片手に豚毛や猪毛のヘヤーブラシを持ち鏡と睨みっこ・・・なんと懐かしいことか!
思い出すのは、どこで手に入れてきたのか、手動の バリカンだ! 5人兄弟で男が4人ということで、幼い頃は兄から順番に母親が散髪屋さんだ。
庭先の丸椅子に座らされて、風呂敷を首に巻き神妙に母親のバリカンさばきよく、丸刈りにされるのである。
そのバリカンがよく切れなかったのか、母親の癇に障っていたのか、なかなかうまく丸刈りにならない。
『痛い!もうちょっと優しくやって~』と文句を言おうものなら、手に持ったバリカンでコッンとたたかれて、『動かんとき~』と怒鳴られる始末。
やんちゃ盛りの4人の男の子の頭を順番に駆っていくことの難しさを今なら分かろうもんだが、私の頭は渦があり難しかったのかいつも時間がかかり母親の散髪は苦手だった。しかし、今はどうだろう…
1年前から頭髪も薄くなり思い切って丸刈りにした。35年近く通っていた理髪店の店主にお断りして不義理であるが…、近所の格安の理髪店での散髪に変えた。 横は3ミリ、上は2ミリと注文をつけながら丸坊主にしてもらうようになった。
安いから、待ち時間が長いわりに、散髪は10分余りで終わりだ!それでも1,430円! 考えた末に電動で少し値は張ったが、バリカンを 通販で購入した。
さて、自分一人でやろうとしたが…妻が『やりましょか~』と、有難い、横や前は何とか自分でやれるが…後ろはちょっと無理だ!「お願いします」全て妻にお願いをした。
横は3ミリ、上は2ミリの丸坊主、優しい手で丁寧に、傷をつけないように…虎がりにならないようにやってくれている。
おまけに襟足、耳の横、おでこまでT字型剃刀を使って奇麗にしてくれるから感謝、感謝だ!
生活に追われていて、4人の男児を叱りつけながらも、心を込めて丸刈りをしてくれていた今は亡き母親の慈愛、そして、戦友ともいえる結婚53年支えてくれている妻の手さばき、それぞれ、気持ちを込めた整髪であり、八十路を歩む我が身、紆余曲折を経た我が人生、感慨深いものがある。
感謝!感謝…で、バリカンの音にも、心があちこちと去来する。 妻の散髪は月に1回である。
日々の生活が単調になりがち高齢者(私は勝手に忙しくしている?妻いわく)何かと生活習慣を見直し、妻ともども心和む事々や、華やぐ事々を見出し実践していく中で喜び事も、少しは増えていくことだろう! 楽しもう! 笑顔を呼び起こそう、そして、今日を生き抜いていかねばね~ ( ´艸`)