テレビの情報番組でしきりに伝えられた…、

今でも伝えられている4代目猿之助の事々に心が痛み、テレビ、ネットしか知りえない私ですら、人が命を絶ち、両親も共に命を絶とうとした惨劇に思わず絶句し、事の推移に思いを巡らしながら、人間の弱さ…、どんどんと落ち込んでいく坩堝（るつぼ）ともいえる『あやまち』の連鎖、アリ地獄ともいえる負の連鎖にあがらうことのできない部類の人の悲劇と人間の性（さが）を想起する私、踏みとどまるすべが、踏みとどまらせる愛が周囲になかったのだろうと・・・・・。

いつも、会報「高齢世帯Ｑ」欄をお読みいただきありがとうございます。

「高齢世帯Ｑ」欄の筆者は80数年の人生において経験し、味わった苦渋や歓喜が血肉となり、それをもとに現在の話題や自身が思うことを直感的に字句に変換し、考え考えて毎号投稿させて頂いております。内容についてはそれぞれで、適宜、咀嚼いただければ幸いです。

さて、今回の　『澤瀉屋の怪』　についても、テレビ情報の受け売りや、ミーちゃんはーちゃんの視点で捉えることなく、深層に迫る洞察力を生かした記述になるか？　ご期待ください。

『澤瀉屋』といえば、宙乗りの3代猿之助（現猿翁）、元宝塚歌劇団雪組トップ娘役浜木木綿子（ゆうこ）、藤間紫、浜木綿子の息子：香川照之（中車）、　香川照之の息子：五代目市川団子、更に、猿翁の兄弟：4代目市川段四郎、4代目段四郎の一人息子が4代目猿之助となる。

4代目段四郎の妻で4代目猿之助の母が俳優の　高杉早苗である。文字で書くと　理解しにくいが、家系図にするとよくわかるであろう。

ことの起源はというと、私の年代で知り得た話となるが、『不倫』の張本人が猿翁（3代目猿之助:中車の父）と藤間紫の許されぬ間柄が発端であろう。

不倫相手の女優藤間紫は猿之助が12歳の時の　初恋相手だったが、16歳年上で　既婚者、子持ち。しかも夫は藤間自身の踊りの師匠、六世藤間勘十郎ということもあり、なんとか諦めをつけ結婚した相手が浜木綿子（ゆうこ）だった。

だが結局、猿翁：藤間の双方とも思いを絶つ事が出来ず、猿翁は一人息子　　（中車）が1歳を迎えた頃には家庭を捨て、藤間紫と駆け落ち同然の暮らしを始める。この二人の同棲生活は35年にも及び、1985年に藤間の離婚が成立。2000年、猿翁と藤間紫は正式に結婚した。当然、猿翁と中車、浜木綿子の間は絶縁状態であったが…、

藤間紫の尽力で和解が進み、2011年9月27日、亀治郎の四代目猿之助襲名と　自身の二代目　猿翁襲名、照之と照之の息子・政明の歌舞伎界進出発表の際には猿翁は涙ながらに「浜さん、ありがとう。恩讐の彼方に、ありがとう」と、前妻　　浜木綿子・藤間紫に対して感謝の言葉を述べている しかし、その後は不遇が続き、2003年には猿翁が脳梗塞を発症、2009年には藤間紫が　肝不全のため死去した。その時、藤間紫の葬儀には照之も親族として参列している。

まだまだ『澤瀉屋』には難儀が続く、香川照之（中車）、息子正昭（市川団子）の歌舞伎界進出に伴い、香川の妻:団子の母は香川照之のもとを去っていった。更に、4代目猿之助には結婚歴はなく、ＬＧＢＴQ性的指向やハラスメントで週刊誌文春で騒がれ、中車は中車で銀座のクラブでママやホステスに狼藉を働き、テレビ界から抹殺され『澤瀉屋』の危機！加えて火に油の4代目猿之助の両親　自殺ほう助罪容疑での逮捕は、凄まじき坩堝（るつぼ）に落ち込む『澤瀉屋』の悲劇でもある。ただ、今、災い転じて福となる…、一筋の光明は、中車が猿之助の役どころを代役として好演し、　団子が急遽猿之助の代役を初々しくこなし、贔屓筋から喝さいを浴びている。

時あたかも、まことしやかに団子の5代目猿之助襲名も早々と取り沙汰されている。

果たして、猿翁から続く負の流れは誰が、どこで、どのように断ち切り、大向こうの喝さいを浴びるだろうか？　がんばれ中車、奮起せよ団子！か？