終末期在宅訪問診療と終活を考える。

在宅支援診療所認定、松田かがみ医師を訪問

・一人暮らし高齢者でも終末期在宅医療選択可能か?

・延命治療拒否とは言うものの、現実はどうなの?

・在宅終末期治療と往診との違いは…

・終末期在宅医療医師は何処に…、誰でも依頼可能?

・終末期の在宅医療の医療処置の種類は?

・終末期在宅医療医師の支払いは?

・みとりは?

正道官衙ストレッチに励む皆さんの胸につかえている『健康長寿のちょっと先の自分は…』の思いをもって励む

上記の疑問をお聞かせ頂く為に❛まつだ在宅クリニック❜女医、松田かがみ医師を訪問。まつだ在宅クリニックは3F建てのマンションの2Fで、1F東側入り口は  松田かがみ医師のお父さんが午前中診察をしておられ、北側入り口には『在宅医療ご希望の方は201の呼び鈴を押してください』と表示、呼び鈴を押して階段で2階へ上がると、201号室があり、その隣の部屋202号室に通された。

この部屋は事務室として使われているようで、部屋の棚には薬、医薬器材が所狭しとおかれている。

正道官衙ストレッチの会の説明書、質問事項などを事前にお渡ししていたので早速に面談に入った。

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【終末在宅患者の❛みとり❜は年間30人以上】

先生は現在100人程度の終末期在宅患者さん訪問というかかわりをお持ちで、一日に10人程度自宅訪問し医療行為を行っておられる。面談中も度々携帯の 呼び出しがかかりお忙しそうだ。患者の❛みとり❜も 年間30人を超えるとのことだ。

終末期在宅医療希望者に全面的にこたえるのが在宅診療所の役割と覚悟をもって日々奮闘されている。

【在宅療養支援診療所とは?】

在宅医療における中心的な役割を担うこととし、これを患家(患者:家族)に対する24時間管理の窓口として、必要に応じて他の病院、診療所、薬局、訪問看護ステーション等との連携を図りつつ、24時間往診及び訪問看護を提供できる体制を構築して届出認可された診療所をいう。病院から在宅への医療の流れを万全にする医療体制の構築です。

定期的な訪問診療にかかる費用の目安

◎後期高齢者医療制度の対象となる方で1割負担の方

・1週間に1度の訪問診療実施…1ヶ月の医療費 (自己負担額) 8,500円程度、

・2週間に1度の訪問診療実施では…1ヶ月の医療費(自己負担額) 7,000円程度

後期高齢者医療受給者証の方は何度利用しても 自己負担限度額は原則1ヶ月12,000円が、一応の目安である。他に介護保険制度の利用による1割負担が生じてくる。さらに、この上記費用に加えて薬代、病状に応じた介護食(刻み食ゼリー食.ミキサー食)代

004遺跡公園の清掃ボランティアに励む会員

 

【超高齢化社会における在宅療養支援診療所の必要性】

病院の介護型療養病床は2017年度末で廃止され、入院期間の短縮が進められ平均30日位、救急病院ではこの半分の14日~15日程度となった。

従って、自宅での静養・療養に移行か、一般的には 転院先を選ぶ、若しくは介護施設への入所となる。  しかし、世の多くの高齢者は在宅医療、終末期在宅医療を求めるが家族介護の負担や一人暮らし高齢者の在宅医療が可能なのか悩ましく思われている。

 

【健康長寿への取組と在宅療養支援診療所の拡充】

平均寿命と健康寿命との差が今、8年から12年ともいわれている。正道官衙ストレッチの会はこの健康寿命をできるだけ平均寿命に近づける努力をしている。

各行政区でも保健所や社会福祉協議会の取組により、介護を必要とする期間の短縮をと懸命に取り組んでいる。

一方、病院、介護施設からも見放され?自宅で  静養、街医者通いの高齢者にとって終末期在宅療養支援診療所の医師の訪問医療の必要性が益々増大してきている。 が・・・なかなか需要に見合う終末期在宅療養支援診療所や医師が増えていかないところが悩ましいところだ。

【松田かがみ医師】

開業医の父(90歳)とは別に終末期在宅療養支援診療所を開設し医師として、日々志をもって奮闘されているという印象が初対面ではあるが感じ取ることができた。

お話をしていて心地よく感じたのは私だけではあるまい。

松田先生の担当されている患者さんには、胃瘻をされている人、人工呼吸器装着されている人、経鼻移管栄養処置をされている人、緩和治療を施されている人、認知症の人、一人暮らし高齢者等々、まさに、終末期医療である。一人暮らし高齢者の終末在宅医療を可能にしているのは介護保険制度との役割分担を可能にする仕組み全体会議システムが出来てきているからであろう。

開業医、病院医は来院された人の病気を診断し診察し処置するのであるが、終末期在宅訪問医療の医師は患者の生活全般を目にし、病状だけではなくて家庭内に入り込んだ医療行為にとどまらないケアーまで範疇になるだけに医師としての見識だけではなくて人としての素養も求められる。 お歳は定かではないが容姿から凛とした気迫が感じられた。

【結びに】

松田かがみ先生の豊富な実体験からのお勧めは、エンディングノートを書き遺すのと同じく、自分自身の最後について、どのようにして欲しいのかを、たとえ判断能力が失われても履行してもらえるように『最期まで私らしくあるために~「わたしの想い(事前指示書)』に従い、終末期 治療を拒否する診療項目・内容を簡単に書き残すパンフレットをいただいた。別途皆様へ参考資料として配布いたします。また、近々に松田かがみ医師を招いての講演会開催についてもお約束いただくことができた。

開催日時、場所、講演内容について、今後打ち合わせをいたします。ご期待ください。(会報6月号から転載