去る10月18日、宇治市文化センターで「ミュージックフェステバル」が開催され、我等が会の世話役&トレーナのT.Yさんがコーラスに出演され、見事なハーモニーを披露されました。たまたま、宇治市と友好関係にあるカナダのカムルーブス市から公式訪問団が来ておられ、T.Yさんを含む出演者有志の方々が歓迎の意を込めてカナダ国歌を合唱しました。客席の我々にも起立と唱和が求められたので、私も声を張り上げて唱和しました。このような場面に出会うことはめったにありませんが、以前海外でビジネスに励んだころ、このような場面に出会うチャンスが結構あって8か国の国歌が歌えるようになりました。私見ですが、これらの国歌は3つに分類されると思います。第1は軍歌調で勇ましいもの。アメリカ、フランス、中国が該当します。第2は国家の理念を掲げるもの。カナダ、インド、台湾、ドイツが該当します。第3は王室の永続繁栄を願うもので、日本、英国が該当します。
フランスの国歌はコーラスでよく歌われるシューマンの「二人の擲弾兵」にメロディが似ているし、イングリッド・バーグマン主演の映画「カサブランカ」でナチに占領された街のパブで全曲を歌うシーンがありますので、容易に覚えることができます。中国国歌は日本に留学して音楽を学んだニエアルが作曲したものですが、彼は神奈川県の鵠沼海岸で遊泳中に事故で亡くなっています。インドの国歌はアジア人で最初のノーベル文学賞を受賞した詩人タゴールの作詞作曲によるもので、インド人の誇りになって居ます。台湾は国家として正式に認められていませんが、中華民国時代の国歌をそのまま継承し、孫文の三民主義を高らかにうたいあげています。ドイツ国歌はメロデイをハイドンの弦楽四重奏曲「皇帝」の第2楽章からとっていますので、聴けばあああれかと判ります。詩は3番までありますが1、2番の「世界に冠たるドイツ」といった内容が戦後の国際情勢にふさわしくないということで、現在は3番のみが歌われています。
さて、国歌は誇りと友愛をベースに自然発露的に歌うもので、強制するようなものでないと思いますが・・・