「お父さん、バス酔いの薬、効かなかったょ!」『そうか、酔うたか?』
今から15.6年前の息子との会話である。
少子高齢化が進む今と違い、昭和48(1973年)年頃は学校では教室が足らずプレハブ教室を増設することで児童急増に対応していた。
遠足や修学旅行にはバスを何台も連ねるという時代でもあった。当時、バスと言えば議員の後援会活動や企業の慰安旅行などの交通機関は、やはりバス何十台も連ねて観光地を回り、旅館に到着すると大広間で大宴会と言うことも不思議でなかった。
バスにさえ乗れば企画されたコースをほぼ時間通りに走れるからして、当時は利用勝手のいい輸送機関でもあった。バスの中では様々な研修や趣旨徹底、カラオケやクイズ等、随分と知恵を働かせて退屈な時間を盛り上げてもくれていた。
バス旅行は苦手・・・
バスが苦手だからと、一人だけ電車でとはいかない。
バス旅行は苦手という人の言い分は、「バスに乗ると酔う」「トイレが近いので、自分の尿意に合わせては頂けない」「得意に歌う他人のカラオケ騒音は我慢しきれない。おまけに下手な歌を3番まで聞かせる」「二人座席で隣に座る人との時間が長い!気疲れ」「集合時間が決められると、せわしない」等々あるが・・・、バス酔いと言えば、二人の息子は妻に似てかバスに乗れば酔う、遠足やバスを使った長距離のバス旅行は苦手というより苦痛で、浮かぬ顔をしていた。
バスに酔うと言うのはその日の体調にもよるが、気分的、強迫観念的で病気ではないのだが…。
そこで、私は一計を企てた。遠足やバス旅行の朝、息子に「この粉薬は会社の素晴らしいお医者さんから頂いてきたバス酔いしない薬だから、バスの乗る前に飲むように」と話し「飲めば酔わないから」と念を押してその粉薬を渡した。(実は風邪薬・パブロン錠を砕いて粉にした)
さて、バス酔いせずに帰宅するかな?と気にかけていたが、帰宅した私に息子は「お父さん、あの薬本当によう効くわ!」これからもお願いと、嬉しそうに、その粉薬のお陰で楽しかった遠足の話をしてくれた。それから数年は遠足やバス旅行の時、酔い止、パブロン錠を砕いた粉薬の効能は十分に 息子たちを安心させ、遠足旅行は自信をもって楽しくバスに乗っていたようだ。
ところがある日、遠足から帰宅した息子が「お父さん、あの薬飲んだが、今日は酔ってしまった」愈々我が特性の酔い止め薬の効能もこれまでか…、息子に問うと、持たせていた粉薬の効能を自慢していたところ、先生がその粉薬を検分されて「Mくん、これは風邪薬の錠剤を砕いており、酔い止め薬ではないよ」との趣旨の話をされたようだ。事実、私は前日に風邪薬の錠剤を細かく砕いて紙に包んで息子に渡していたのである。それからはこの酔い止め薬の効能は地に落ちてしまった。
成人した息子たちも、短い距離でも乗り物酔いに苦しんでいた老妻も・・・。
私は乗り物酔いなど無関係ではあるが…、7人の孫のうち何人かは乗り物酔いで辛い思いをしているようだ。ちょっとの距離でもタクシーに乗ると気分が悪くなり、乗り物酔いに困っていた老妻も、そして、五十路をそれぞれ超えた二人の息子も、今では乗り物酔いどころかマイカーを駆使し元気だ。息子もきっと我が子の乗り物酔い対策に、風邪薬の錠剤を砕いて飲ましているのだろうか?聞いてはいないが・・・。老妻も今では我がマイカーの助手席で、「速度が・・・」とか「今、黄色!止まらなければ・・・」など、運転する私のカーナビよろしく、運転マナーの先生である。
バスと言えばこのような昔のことが思い出される…。バス利用の思いではつきない。
今から15.6年前の息子との会話である。
少子高齢化が進む今と違い、昭和48(1973年)年頃は学校では教室が足らずプレハブ教室を増設することで児童急増に対応していた。
遠足や修学旅行にはバスを何台も連ねるという時代でもあった。当時、バスと言えば議員の後援会活動や企業の慰安旅行などの交通機関は、やはりバス何十台も連ねて観光地を回り、旅館に到着すると大広間で大宴会と言うことも不思議でなかった。
バスにさえ乗れば企画されたコースをほぼ時間通りに走れるからして、当時は利用勝手のいい輸送機関でもあった。バスの中では様々な研修や趣旨徹底、カラオケやクイズ等、随分と知恵を働かせて退屈な時間を盛り上げてもくれていた。
バス旅行は苦手・・・。
バスが苦手だからと、一人だけ電車でとはいかない。
バス旅行は苦手という人の言い分は、「バスに乗ると酔う」「トイレが近いので、自分の尿意に合わせては頂けない」「得意に歌う他人のカラオケ騒音は我慢しきれない。おまけに下手な歌を3番まで聞かせる」「二人座席で隣に座る人との時間が長い!気疲れ」「集合時間が決められると、せわしない」等々あるが・・・、バス酔いと言えば、二人の息子は妻に似てかバスに乗れば酔う、遠足やバスを使った長距離のバス旅行は苦手というより苦痛で、浮かぬ顔をしていた。
バスに酔うと言うのはその日の体調にもよるが、気分的、強迫観念的で病気ではないのだが…。
そこで、私は一計を企てた。遠足やバス旅行の朝、息子に「この粉薬は会社の素晴らしいお医者さんから頂いてきたバス酔いしない薬だから、バスの乗る前に飲むように」と話し「飲めば酔わないから」と念を押してその粉薬を渡した。(実は風邪薬・パブロン錠を砕いて粉にした)
さて、バス酔いせずに帰宅するかな?と気にかけていたが、帰宅した私に息子は「お父さん、あの薬本当によう効くわ!」これからもお願いと、嬉しそうに、その粉薬のお陰で楽しかった遠足の話をしてくれた。それから数年は遠足やバス旅行の時、酔い止、パブロン錠を砕いた粉薬の効能は十分に 息子たちを安心させ、遠足旅行は自信をもって楽しくバスに乗っていたようだ。
ところがある日、遠足から帰宅した息子が「お父さん、あの薬飲んだが、今日は酔ってしまった」愈々我が特性の酔い止め薬の効能もこれまでか…、息子に問うと、持たせていた粉薬の効能を自慢していたところ、先生がその粉薬を検分されて「Mくん、これは風邪薬の錠剤を砕いており、酔い止め薬ではないよ」との趣旨の話をされたようだ。事実、私は前日に風邪薬の錠剤を細かく砕いて紙に包んで息子に渡していたのである。それからはこの酔い止め薬の効能は地に落ちてしまった。
成人した息子たちも、短い距離でも乗り物酔いに苦しんでいた老妻も・・・。
私は乗り物酔いなど無関係ではあるが…、7人の孫のうち何人かは乗り物酔いで辛い思いをしているようだ。ちょっとの距離でもタクシーに乗ると気分が悪くなり、乗り物酔いに困っていた老妻も、そして、五十路をそれぞれ超えた二人の息子も、今では乗り物酔いどころかマイカーを駆使し元気だ。息子もきっと我が子の乗り物酔い対策に、風邪薬の錠剤を砕いて飲ましているのだろうか?聞いてはいないが・・・。老妻も今では我がマイカーの助手席で、「速度が・・・」とか「今、黄色!止まらなければ・・・」など、運転する私のカーナビよろしく、運転マナーの先生である。
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バスと言えばこのような昔のことが思い出される…。バス利用の思いではつきない。